人生100年時代のお金の話:前編
民主党政権の失敗を忘れたのか、それとも頭が悪いのかは分かりませんが、
「2,000万円貯めないと、老後の生活が維持できない。日本はそんな国なのですか?」などと首相に詰め寄っていた政治家を見て情けなくなりましたが、しかしその後の報道では多くの人が自助努力を開始しているようで、アホ政治家のパフォーマンスには騙されていないようです。
人生100年時代と言われるようになり既に3年が経過しましたが、身近にも90歳前後の方は珍しくありません。
私を含め、これから高齢者の仲間入りをしていく60歳前後は、90歳超、100歳超は当たり前という前提(長生きリスクを考慮して)で、今回と次回に分けて、人生100年時代の対策案をご案内したいと思います。
今回は人生100年で、どれくらいの費用が必要になるのかを考えてみます。
1. 現役引退後の期間が長くなる(生活費)
老後の生活費の大半は公的年金になるでしょうが、給付額は徐々に下がり、年金開始年齢も遅くなりそうなので、現役引退後の期間が長くなれば、老後資金として準備する必要な金額が増えることになります。
支出は、60歳代夫婦で約31万円/月、70歳代夫婦で28万円/月(総務省「家計調査年報」/2017年)
収入は、国民年金5万5千円/月、厚生年金14万7千円/月 合計20万2千円(平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況)
つまり60歳代で▲10万8千円×12×10年=▲1,296万円、70歳代で▲7万8千円×12×10年=936万円
80歳代の統計はないので、79歳まで生きた場合には2,232万円が不足することになります。
更に言えば、今後 年金支給額は減少すると想定されますから、更に不足額が大きくなります。
2. 医療費・健康維持費
私も、体全体にガタが来ていますが、歯を治療した際には歯茎の移植なども必要となり高額な治療費が必要となりました。
これまでの高齢者は公的健康保険で手厚い給付を受けていますが、我々世代には応分の負担を求められると思われますし、実際に色々な病気でも通院・入院は十分に考えられ、医療費が増えます。
総務省「家計調査年報」/2017年:70歳代で15,000円/月となっていますが、これは相当に高くなると想定していますから、FP相談では今の内に、通院保証が充実している医療保険への見直しを勧めています。(因みに私は保険代理店等ではありません)
一方で健康を維持するための健康維持費も必要となります。
ゴルフでもゲートボールでも仲間と時間を共有して年齢に見合った運動をするのは気分転換にもなりますし、人生100年を謳歌する大事な余暇時間ですから、それなりの費用は必要となります。
総務省「家計調査年報」/2017年では、教養娯楽出費が一番多い年代は40歳代で約34,000円、60歳代では約29,000円、70歳代で約
23,000円となっていますが、健康であればこの費用は増えると思われます。
3. 介護
私の同級生にも親の介護で苦労している人が数人いますが、特に親の介護で無職になった人は、親は他界したものの早くから無職となったため国民年金も滞納しており満額でも少ない支給額が更に少ない状態です。
働こうにも専門的な技術も無く、それでも働いていますが月に12・3万円の収入では、生活するだけでも大変で古くなった自宅のメンテナンスも出来ません。
親の面倒を見るのは大切ですが、ご自身の老後を考えた場合には、仕事を続けながらできる範囲で面倒を見ることがもっと大切だと思います。
とは言え、仕事を続けながらできる範囲で面倒を見るのは本当に大変!!
しかも日本だけでなく世界的な傾向ですが、現役引退後の期間が長くなりつつあり、どの国でも老人対策による公的支出が増加傾向なので、高齢者への医療・介護への支給額は減少傾向にありますから、介護費用を親の資金で賄えない場合には、大きな出費となります。
その上で、自分が要介護となった場合には・・・・・考えたくもない状況となります。